あらすじ
彼女の名前はメイ。今は動物病院でアシスタントをしている。病院にはポーリーというクールな同僚がいる。病院の先生は手術のミスが多く、患者からの苦情 も絶えない。彼女は生まれ持った斜視で、子供の頃は矯正のため黒い眼帯をしていた。それをまわりの子供たちは気持ち悪がって、友人が出来なかった。かわい そうだと思った母親は手作りの人形スージーをプレゼントして、メイを手厚く保護してくれた。そんな子供時代の経験からか、斜視が矯正された今でも人付き合 いはちょっと苦手だ。家では自然とスージーに話しかけていたりする。
ある日、彼女はアダムという素敵な男性に出会った。車の修理工場で働く彼に初めての密かな思いを抱くメイは彼の興味を引くために彼の行きつけのカフェで 待ち伏せて、眠ったしまった彼の美しい手に頬擦りしたり、コインランドリーで話しかけられたりするうちにステディーな関係になっていく。そんな彼に気に入 られようと色んなことをするメイだが、逆に彼の方は彼女を避けるようになっていく。そして・・・・。
これだけじゃ全然わかりませんね。サイコホラーって感じの作品です。過去のトラウマから内気に、そして極度の人見知り、情緒不安定な彼女。ですが普段はメガネをかけているんですが、メガネ属性がある人はキュンとすると思います。
人に気に入られようと自分なりに努力するがどこかがズレていて、裏切られ、傷つき、ある時、なにかがキレてしまう。不完全な自分、完璧な物(体のパーツ)への憧れの歪み具合がなんとも怖いです。
ラストは、ある意味ハッピーエンドなのかもしれません。完璧なパーツを手に入れた彼女。でも何か足りない。その完璧な人は目が見えないじゃないか。と自分の見える方の目をくりぬき、その人形にはめ込む。自分にとっては唯一の完璧なパーツ。そして笑顔の中で死に。。。
ハタから見れば狂気の沙汰かもしれませんが、彼女にとってはバラ色の人生だったんじゃないかって。かの有名な野口英世氏は死に際に「それでも分からない」と息をひきとった。まだ生きたい、そんな後悔の中の死。皆、よく頑張ったよなんて言われても本人からすれば不本意だったのかもしれません。
逆にどんな酷いことがあっても、どんな酷いことをしても、最後、死ぬ時に笑顔で死ぬのならバラ色の人生なのかもしれません。
そして俺は、そのバラ色の人生を探して生きているのかもしれません。
人間の内なる狂気が素晴らしい演技に出ていると思います。グロなシーンはあまりないですが、見終わった後、えも知れぬ怖さが残ります。ホラー映画で言えば傑作かと。
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