2011年9月19日月曜日

測定方法の違い

 例えば「錆び」鉄でも酸素で化学変化が起こり、鉄が酸化鉄となる。そこに第三の物質、水、塩、それらが入ると酸化する速さが異なってくる。一般的に考えると、潮風のある海側は塩の為別の化学変化となり、鉄の酸化を促進する。これらは皆さんご承知であると思います。


 ただ、A地点、B地点での錆びの速さについて比較する場合、同じ箇所での酸化防止の塗料を比較する場合は、データを集めなければいけません。

 そのデータは、同じ条件下(環境、気候、測定方法など)でないと、データに誤差が生まれ、比較の対象とならなくなってしまいます。ですので、このような試験を行う場合、各塗料メーカーが独自で試験を行っても各メーカーのデータの比較が出来ない為、日本塗料協会が定めた測定方法により、暴露試験を行います。

 そうすれば、皆がみな同じ条件下の元でのデータとなり、そこで比較することができます。それを公にするかは別ですが。企業秘密とかもありますしね。


 福島では、放射能という形でデータを収集します。東電はもちろんのこと、警察、自衛隊、文部科学省、各自治体、個人での測定など多く測定していると思います。


 これは、警察が検問を行っていた時にあった測定器具です。高さ1.5m程度。単位はmSvであり、その位置での累積放射線量を測っていました。

 ビニールテープで防水加工していました。








 その横には、今日、計測した値と昨日計測した値が明記してありました。前日比、+0.02mSv。このままの線量ですと、年間の累積は7.2mSv。3年で20mSvとなり、高い数値となることは明白だと思います。

 それを長期的に計測すれば、日毎の線量が分かり、その増減を折れ線グラフなどで示すことができますね。





 こちらは文部科学省の同じく累積線量を計測していました。鍵がついており、中(現在の線量、測定機器など)は見ることが出来ませんでした。

 高さは1m程度で、隙間はほとんどなく、箱内の温度は高いと思われます。まぁ放射線は木などを通過する為、測定自体に問題があるとは思いません。こちらも日々の計測により累積値などのデータとなるでしょう。


 このような形で、各市町村、個別グループ、個人でも測定しており、各個でのデータの評価は出来ると思います。

 しかし、測定方法、測定位置、機器等が別の物であれば、それらを統合し、1つのデータとして比較、検証することは前記の通り困難だと思います。数字が同じでも、測定環境が違えば比較データとして成立たない訳ですね。


 そしてどの測定方法が正しいのか、それも各個で違う為、不明瞭な点もあると思います。例えば機器を亜鉛メッキ処理された街灯等に設置すれば、少なからずそちらからの放射線を遮断してしまう可能性があるとも言えるわけです。


 これらを個々で発表すれば、当然ながら違う値が出てくる可能性があり、どれを信じるに値するデータとなるのか、それも分からないところです。あと、多く計測しているのにそれらが統合できないのであれば非常にもったいない気がします。せっかくの大量のデータがバラバラ。全体でみれば100のデータが分割されてしまいます。


 測定方法、測定機器の統一により、データの統合、各地域での比較等が効率的かつ有効なデータとして取り扱えるのに。なんとももったいないな。と思いました。


 今回、自分達が測定器具を持ってこなかったのはその為でもあります。単発での測定では意味が無いこと、その測定機器の精度、更正されているか。など自分達で比較出来ないデータを測っても意味が無いからです。それらを踏まえ、市町村、自治体を管理している文部科学省は、それらの指針を出すべきだと思いました。