2011年10月11日火曜日

いったいどうすりゃいいんだ!今、考えてます(目泳ぎ)

 ソバ屋の出前ではないのですが、千葉で一時保管している放射性焼却灰が1000t近くになっており、その対応を迫っているようです。

放射性焼却灰問題 焦燥募る関係自治体 一時保管量1000トン迫る



 具体的対策を求めているものの、只今検討中です。で1ヶ月が過ぎて、灰はドンドンたまっていって。。。なんか言えよ。となる気持ちも理解できます。


 環境省は八月三十一日、高濃度のセシウムを含む焼却灰について、放射性物質が溶け出さないよう処置すれば埋め立てが可能との方針を示した。(ニュース文中)ものの、最終処分にあたって、受け入れ先が無い状態が続いています。トイレの無いマンション。と書いてありますが、トイレはあってもタンクがもう入りきらないボットン便所。聞こえが悪いですね。


 まず、国、東電が、なんらかの案を出していないことが問題のひとつとなります。何も提示しない=各自治体(主に千葉)にヨキニハカラエ的な、ヨキニハカラッテクダサイとも言えない心境を与えています。


 ゴミの最終処理(今回の場合、実質には埋め立てとなりますが)を行う場所、会社については、各都道府県、環境省の許可が必要です。今回の場合は産業廃棄物となるので、県をまたいで運搬する場合は双方の許可が必要。


 なんで千葉なの?という疑問があるとか思いますが、大規模な最終処理場(埋め立て)が千葉にある。という理由です。産廃物の最終処分場と言っても、プラスチックならここ、木屑、紙屑ならココ、決まっているんですね。


 産廃物リサイクル法により、500万円以上の工事でコンクリートの処分(リサイクル)については、申請が必要であり、また、不法投棄防止の観点から、工事前に、産廃物をどこに持っていくのか、最終処理はドコでやるのか。などを地図付きで明記しなければなりません。木屑、紙くずの焼却はあくまで中間処理であって、その灰の最終処分については、千葉にあるということです。


 産廃処理については、マニフェストというA票からE票まである運搬から最終処理までの流れを管理する票があり、発注者側はそれが正規に行われているかを管理しなくてはなりません。これを用語で追跡調査といいます。実際、地図通りに指定された会社、車両が産廃物を運んでいるか、後を付いていくことから、このような用語が生まれたのかと。



 で本題の問題ですが

 1.先ほどの環境省の発表。「放射性物質が溶け出さないように処置すればいい」と言いますが、じゃあいったい誰がするの?ってことになります。当然そこは東電がすぐに、産廃最終処理の申請・許可を受け、処置する所でしょう。「溶け出さない」という条件で、密閉するにはどうすれば。

 亜鉛メッキ加工(錆びにくくした)したドラム缶にモルタル等と混ぜて入れる。のが考えられる有効な処置と言えるのではないでしょうか。

 仮にモルタル無しで、ドラム缶満タンに詰めたとします。ドラム缶は200Lの水が入るので2m3。灰を中炭砂と仮定すると、1m3当たり、1.0t(参考資料)とすると、ドラム缶500本分に相当します。モルタル等で固めると、更に多くなります。亜鉛メッキ加工のドラム缶なんて聞いたことはないですが、単価とすれば通常単価60k+処理費40k ドラム缶1本当たり10万円。500本で5,000万円。


 その処置を行うに当たって、放射線が漏れるのを防ぐだけの施設が必要です。それとその処置を行う人員が必要になります。建設費、材料費、人件費は別としても、その建設にかかる時間、また、全て処置する時間にかなりの時間を要し、それを建設している間も灰は溜まる一方という形になり、更なる一時仮置き場も必要となります。


 ただ、条件が揃えば、費用、時間はかかっても可能。という結論に達します。それまでにかかる工程も出すことができるのではないかと。納得するかは別として。


 問題2.受け入れる場所がない。通常の灰とは違い、放射性焼却灰をそれこそはいはいと受け入れる施設も少ないでしょう。受け入れるとしても抵抗もあり、かつ、別からも廃棄物は来るのですから、埋め立てに当たっての処理方法の相違などからも受け入れられない。という問題があります。


 それを解決する為には。。。端的に言えば、ドコに埋めればいいの?ということなんですが、東電で行うのであれば、東電の所有している敷地(発電所、変電所、送電鉄塔敷地等)を埋立地とし、地下何十m(ここの判断基準が出ていない)に埋める方法。じゃあ国が大丈夫と言っても、放射性焼却灰を関東各地に埋めるのか?という問題が出てきます。


 国有地に埋めるとしても然り、そこにいる住民、市町村、都道府県の認可がおりないと、難しい。


 更には、埋め立て施設を建造するのにも費用と時間がかかります。溶け出さないことを条件とするならば、当然、掘削の後、コンクリートで土台を作り、密閉するような形となります。土木工事において、一番時間がかかるのが掘削。その為の地質調査。自然環境への配慮。もはや有効な場所はなく、どこかが犠牲となるしかない状況。しかし、それしかない。


 では、土地ではなく、海底にトンネルを掘り、施設を作るという手もあります。実際、東京湾には、LNGの効率的輸送の為の神奈川~千葉を結ぶトンネルがあります。

 これからそれを造るとなると、完成は数十年後という話になってしまいますが、これも1つの案かと思われます。


 自分が考えただけで、これだけの案があります。当然それに対するリスクマネージメントや試算も必要になってきます。が、何も出さないで、ダンマリを決め込んでいては、そりゃ現地の方は焦りますよ。



 応急的処置でも、国、東電は、短期、中長期案を速やかに出すべき。と思います。溢れる前に。