2012年6月20日水曜日

生死の選択権

 昨日、外出した時、マンションの階段にハトがいたんです。おや珍しいと思いちょっかいを出したら何故か飛んでいかないんです。逃げ回るだけ。おかしい。何か飛べない理由があるんだ。

 と思いつつもひとまずその場を後にしたんですね。で、その帰りの事。

 まだあのハトがいて。結構衰弱している様子。踊り場の隅でじっとしていたんです。よくよく見ると、背中に酷い傷が。他の動物に攻撃されたか。

 よく傷ついた動物はジッと動かず傷を癒したりするのですが、餌もなく、いずれにしても、このままでは死んでしまうのは明らかな事です。


 見かねた自分。踊り場に散乱しているハトの糞とかは関係なく。そのハトを階段の外側の手すりに乗せたんです。


 後から考えれば、外に運んで家と家の間に置くとか別の選択肢はあったのですが、それはもう後の祭りであって。


 このままでは死ぬ。外に出れば餌にありつけるかも知れない。けど猫などに襲われるかもしれない。ただ、このままその場所にいては確実に死んでしまう。


 映画「SAW」シリーズをご存知でしょうか。罪を犯した人を拉致し、拷問に近い器具を身につけます。苦痛と引き換えに、生き残るチャンスを与える。映画内ではゲームと呼んでいますが。ある意味それと同じな感覚だったと思います。ようはハトに生死の選択権を与えた事になり。


 食物連鎖の世界では、理由はどうあれ、弱者は死ぬ時は死ぬ。これは何にもにも変えられないことであって、自分はそれを自分のエゴで捻じ曲げたと言ってもいい。例え良かれと思ったことでも。


 この行動が正しかったのか、苦痛を引き伸ばしただけだったのではないか。分からない。良心とエゴの狭間。そんな事をずっと思っていた昨日の夜