2011年12月19日月曜日

東北被災地現状2 -Eastern Japan Great Earthquake Disaster-

※東北沖震災の画像等が含まれています。時に心を痛める方もいらっしゃるかもしれません。ご注意してご覧ください。




 ツイッターで、被災地の現場査定を行っている方からの発信。震災による被害はもちろん、技術面での考察など、転載したいと思います。前回分が長くなってきたので、その2ということで。

前回までの状況。これも現在進行形です。
http://hina666-togami.blogspot.com/2011/11/blog-post_10.html

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福島県いわき市。豊間地区。 いわき市の津波被害傾向が判る画像。 構造体が損傷せずに残る建物も多い。 流失数が少ないことから浸水被害が大きかったと推測出来る。12/19




「全壊」とは流失や倒壊のみを指すのではなく、内外装の損害が甚大なケースも含まれます。 内閣府の提示した指標では2階建ての住宅なら1階天井まで水没すれば、破損の有無によらず全壊と判定。12/19


いわき市の四倉地区。 修繕して住み続けてる住宅の隣地は解体済住宅跡地。 倒壊または解体して無くなった住宅の大多数は「古い家」でした。 新しい家は残ったのです。12/19




被災各地を回って気付いたのは、構造体が健全な住宅は単に浸水だけでは倒壊しないということ。 しかし、特に新しい丈夫な住宅…高機密高断熱住宅の場合には思わぬ現象により倒壊する可能性がある。12/19


現在主流であるベタ基礎の新築住宅。 機密性が高く丈夫であるがゆえに、一定の水深を超えると浮力により家が基礎ごと浮き上がってしまう。 画像はその痕跡。12/19




窓が割れたり壁が破壊したりして、家屋内に水が流入すれば倒壊に至るほどの浮力は発生しない。 新しくて丈夫な住宅特有の盲点とも言える。12/19


「津波は南東と東からの2方角から来た」 奇しくも山元町と亘理町の役場職員が同じことを言ってました。 そして興味深いのは「二つの波がぶつかった地区は流失した家屋が少なかった」と。12/19


波の力が相殺されたのだ、とのこと。 半信半疑だったが七ヶ浜町でも地形的な要因から2方向から波を受けた地区があり、その合流点では確かに流失した家屋は少なかった。 山元町と亘理町の証言を裏付ける現象。12/19


高校時代に釣りをした新地町。 断崖の海岸線がありまして… 津波が崖にぶつかって高く立ち上がり、加速しながら落下し家屋を真上から破壊する、というケースが見られたそうです。 水の塊には抗いようもないです…12/22

仙台市営住宅。 鉄筋コンクリートにとって致命傷の「せん断破壊」現象。 住人達は家財を残し着の身着のまま避難した。12/28

※感想 鉄筋コンクリートのせん断はよほど大きな力が「横」にかからないと起きない現象です。これだけでもどれだけ地震が大きかったかがわかります。なお「せん断」というのは、例えて言うならキュウリを両手に持ち、引きちぎる、押しつぶすではなく、握る形はそのままに前後にずらして裂くような力の事を言います。















市営住宅は無人の廃墟。 東北最大の都市、仙台市中心部でもこの様な建物が未だに存置しているのが現実です。 内陸部の地震被害も甚大です…12/28










~~~~~~~~~~~~その他、所見・考察・思い

霞が関から携帯に電話がかかってきたが無視。 俺はあんたらのメンツのために働く気はない。 用があるなら俺の職場を経由して連絡よこせ。 それが筋だ。 直電には絶対に出ないからな。 俺を自分の手足だと思うな。 本省の官僚さんよ。12/19 感想:自分の仕事にプライドを持ち、公正な仕事、義務を果たすという意思が見受けられます。


ふと気になって検索。 この震災…地震と津波被害の総額は推測15兆円前後だそうで。 なんか単位がデカ過ぎて自分の物差では把握し辛いな。 でも真の損失は人命。 人の可能性は無限大。 故に金には換算出来ない無限大の損失を被ったということか。 特に幼い子供達を失ったことが悔しい…1/12