2012年2月9日木曜日

発送電分離の課題

①『発送電分離』(正確には発送配電分離かもしれないけど)の難しさを技術的に述べなさい。②分離した場合に消費者が受けるであろう不利益についても述べなさい。(私は寝るけど)

という大変アリガタイご命令を頂きましたので、ここでちょっとまとめたいと思います。

①についてですが、発送を分離する。これは発電、送電各々が管理する。という事から、供給時において、送電線が重負荷となってしまう可能性、また点検・工事などによる送電線停止時の調整が難しくなる(ルートを変更するため)が上げられます

これは電力自由化を前提に書いております。そこをご理解を。また、発電所においても、定期点検が必要であり、その点検にはかなりの期間を要します。その場合の電力融通方法、ルートの選定に課題があります。融通する発電所から、需要家までのルートが無い場合もあります。

これを解決する為には全ての送電網のループ化(一方が止まっても反対側から送る)が必要であり、その為の新たな送電線、変電所の増設が必要となり、その費用は莫大になります。また、発電所自体も発電方法、建設年度の違いが課題となります。

発電設備を1社が管理するとなれば話は別となりますが、自由化において、各企業などに分散すると、原油での火力は当然高くなり、最新型は安くなる格差がどうしても出てしまい、それを均平化するのは、非常に困難です。

PPSにおいて送電託送している以上、このような課題は常につきまといます。独自に送電線を建て、送るというのなら別ですが、それにかかるコスト面、また環境面に問題が出てきます。

配電まで掘り下げると、今度は責任の問題が出てきます。それこそ何百万世帯が自由に供給先を選ぶ、当然、配電線も託送という形がとられると思いますが、絶対的な物量が違うこと、また、配電線に事故があった場合の責任線をどこに置くか。これまた膨大な量なので管理しきれない

そして、それを誰が管理するのか?などが難しさの1つとして上げられます。家庭配電まで自由化されてないのはその為です。



②についてですが、①を全てクリアしたとしましょう。これで競争が高まり、電気料金が安くなる。のがメリットとして上げられますが、これまたデメリットもあるわけで。1つの発電所を例に挙げたいと思います。

供給量に余りがあるうちは良いのですが、顧客殺到で発電量を超えてしまった場合、他企業から市場にて電気を買わなければなりません。それは当然原価より高くなってしまい、結果的に消費者に向いてしまう可能性があります。

また、夏のピーク時など、どの発電所もいっぱいいっぱいになってしまうと、買う電気が無い。という状況も考えられ、その場合は、供給を停止せざるを得ない場合も考えられます。また、その停止方法も課題となります。これは電気自体が変電所でプールされる為です。

このような場合、競争というより、インフレに近い状況になり、電気料金が高騰してしまう。なんて可能性もあります。これは現在の受給率を見ても明らかかと。

①、②をまとめるならば、少なくとも各企業が、発電所を有する事、また供給量による打ち止めが必要である事、融通の観点から、送電・変電所の増設が必要なことから、現在の経済事情では難しい。と論じます。



大変だったすよ。考えるのも、書くのも。ごほうび待ってます。

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