2007年11月2日金曜日

映画「ハンニバル・ライジング」を見た

 これも昨日見たんですが。

 羊達の沈黙、ハンニバル、レッドドラゴン、シリーズの最新で、時系列的には、一番最初、レクター博士がなぜカニバリズム(食人)となったか、ルーツとなる作品です。

 レクターがまだ少年だったころ、第二次世界大戦中である。その末期、ドイツ軍は劣勢をしいられ、退却の一途をたどっていた。レクターの家族は貴族であるが、住んでいた城を放棄。別荘に逃げてきた。

 そこに退却中のドイツ軍兵士が現れる。家族は殺され、親を殺したのをごまかすため、妹とレクターは鎖に繋がれ生存している。食料が乏しくなった兵士達は、恐ろしい事をした。ぜんそくもちであり、先は長くないと考えた兵士達は、妹を食料にしてしまう。レクターは残されたが、その一部始終を見ていた。

 その別荘もロシア軍に爆撃され、ドイツ兵士は逃げていく。レクターも開放され、1人、歩いていたところでロシア軍兵士に保護される。

 以前住んでいた城は、孤児院になっており、レクターも少年から青年になるまでそこで育つ。ただそこでは、言うことをきかない劣等性として扱われ、あるトラブルをきっかけに独房に閉じ込められてしまう。だが、レクターはそこに抜け道があるのを知っていた。一連のトラブルもそこに幽閉されるのを計算してのことなのか。

 成長したレクターは医科大学で、人間の解剖、内部の臓器など、医学についての勉強を人並み以上に勉強する。全ては、妹を食べたドイツ軍兵士に復讐するため。。。。

 1人、また1人と復讐を果たしていく。妹を食べた人を。でもレクター自身も、妹を食べた。空腹を満たすのではなく、愛のために。そして、レクターが少年だったころ、賄いのコックに言われた言葉を思い出す。「どんな動物でも、ほほの肉は美味しいんですよ」

 とまぁレクターの成長記録なんですが、レクターがなぜカニバリズムを持つようになったか、分かりやすく映像化されています。どんな時でも冷淡。かつなんの躊躇もなく人を殺し、そのほほ肉を食う。分かりやすいです。

 ただ、1つつっこまさせてもらえば、羊達の沈黙や、ハンニバルにあるような、殺し方に高貴な感じが漂うというか、知識的な殺人の方法ではなく、ちょっと稚拙な殺し方。残酷ではあるんですが、なんか雑。そんな風に思いました。

 ストーリー的にもダレることなく見れ、作品としては良いと思います。ただ、羊達の沈黙のレクター博士と、ハンニバル・ライジングのハンニバル・レクターが繋がらない。別の人物なのではないかと思ってしまう感じ、ちょっと残念です。4つ星☆☆☆☆

0 件のコメント: